こんにちは。にこいち会議所です。
今回は、事業再構築補助金の3つの採択案件から事業計画書の書き方について解説します。
初めて申請する人も、「事業再構築補助金の事業計画書の書き方がわからない」、「どんなことを事業計画書に書いたらよいのだろう?」と、いった疑問を解決できるような内容にしていますので、ご覧ください。
まずは注意事項です。
★ 今回、提示している構成内容は、あくまでも、にこいち会議所に相談をいただいた案件を元に共通したものを抜粋しているものです。
★ 事業再構築補助金の採択を保証するものではありません。
★ 内容を良くするために通知なく変更することがあります。
構成だけ気になる人は目次だけでも十分になっていますよ。
公募要領から確認!事業計画書に記載する必要事項
まずは、事業再構築補助金の公募要領から事業計画書に記載する項目を確認していきましょう。
- 補助事業の具体的取組内容
- 将来の展望
- 本事業で取得する主な資産
- 収益計画
上記の4点は、事業再構築補助金の公募要領P24~25に記載している事項ですのでここでは詳しい内容を記載しないので以下からダウンロードしてください。
① 補助事業の具体的取組内容
事業再構築指針に定める該当要件
まずは、下記のとおり、事業再構築補助金で必要となっている要件や事業再構築補助金の指針を審査員にもわかるように明記しましょう。
事業再構築補助金は必要な要件が多くありますので、読んでる最中にところどころ確認しないといけない事業計画書だと審査員の確認も大変です。
なので、にこいち会議所では1番始めに要件に該当していることを明記することをオススメしています。こちらのフォーマットは、Word・PDFでもダウンロードできますよ。
フォーマットの内容は新分野展開です
現在の事業内容
ざっくりいうと、今、どんな状況でどんな事業しているか確認していこう。
企業概要
まずは、今回の申請者がどんな事業者であるかを簡潔に記載しましょう。どの項目にも該当することですが、「審査員があなたの事業を知らない」という条件で書くとよりわかりやすくなります。
事業所の所在・沿革
申請者の事業所について、どのような歴史で今があるのか簡潔に示しましょう。個人事業主や法人設立後間もない企業は、代表者の経歴を使いながら会社の事業の生い立ちを説明しても良いです。
取扱品目
申請者がどんな商品・サービスを取り扱っているかを記載しましょう。以下の様に表にすると一目でわかるのでオススメです。
繰り返しになりますが、現在扱っているサービスを説明するとき、自分はそのサービスを当然のように知っていても審査員は知らない場合があります。
そのためにも、どのような業界でどのような特徴があるかを表の下や上に明記しておくことがオススメです。
経営状況
過去3年分の経営状況を簡潔に説明することで既存事業の収益性や傾向を説明しましょう。
今回は新型コロナウイルスに関する補助金制度なので、コロナの影響を記載しても良いかと思います。
にこいち会議所では以下のように表を作成してみましたよ
既存事業のSWOT分析
にこいち会議所に限らず、多くの企業で以下の様に表にして箇条書きとすることでわかりやすく明記している企業が多いようです。
弱みの点では、コロナウイルスの影響を受けた結果を記入することも良いですね。
弱みや脅威があって減収や課題が発生して今回の補助金を活用するキッカケとなったと思われるので、対策や改善を行った内容も記入しておきましょう。
表にする以外では書く方法はないの?
採択者の中には、上の図の様に表にせず、箇条書きを説明するスタイルを活用している事業者もあるようですよ。
わかりやすく説明できればスタイルは何でも良さそうですね。
事業再構築の必要性
なぜ、今回、事業再構築を行うのかを説明しましょう。コロナの影響を受けたことで、今回の補助金を活用していると思いますので、その影響を踏まえつつ説明することで説得力が増すと考えています。
事業再構築の具体的な内容
新規事業の概略
まずは、今回実施する事業の内容を説明しましょう。わかりやすく説明しておくことで、事業全体のイメージを持ってもらいましょう。
次から説明する投資内容が頭に入りやすくなりますね。
どんな設備や投資を行うのか
今回、投資する設備や内容について、設備の型番や取得時期等、可能な限り詳細なスケジュールを記載しましょう。
また、なぜその設備をその業者へ依頼するか理由もあるとより具体的です。
事業の実施スケジュール
誰が、何を、いつ実施するのか、わかりやすく明記しましょう。
にこいち会議所だけでなく、下記のように表にして提出する企業も多いようです。
ただ、これだけでは具体性がないので、項目の内容を説明していきましょう。
下図のように詳細スケジュールを作成することもオススメですよ。
表でなくても箇条書きでもOKですよ
事業の取組体制
企業や協力者等、今回の事業で関係者とわかる相関図を作成するとわかりやすいですね。
上記の図解はillustratorで作成していますが、PowerPointやExcel、Googleスライドでも作成ができますよ。
また、図解だけでなく、関係性がわかるように後に文章で説明することも大切です。
② 将来の展望
事業化に向け市場
今回の新規事業で参入する市場について説明します。
製造業であれば、公募要領でも推奨されている統計分析ツール「グラレスタ」を活用することがオススメですよ。
グラレスタ以外でもGoogleの検索をうまく活用して参入する業界や市場について調べることで、より効果的な新規事業であることを証明しましょう。
顧客ニーズと市場の動向
実際に事業を実施する市場の動向や規模を調べてみましょう。
販売地域や規模が決まっているのであれば、販売地域の人口を出したりすることでより具体的な数値を出すことができますよ。
銀行が市場のデータを教えてくれることもありますので活用しましょう。
事業実現への「課題・リスク・解決方法」
今回の事業を実施する上で、課題や必要となるもの、リスクを挙げて、解決方法を明記しましょう。
にこいち会議所では、ここでも表を活用することで審査員の方々にわかりやすい説明をすることを推奨しています。
箇条書きだと具体性がない場合は、課題やリスクごとに詳しい説明を書いていきましょう。
事業化の見込み
事業を実現して売上や利益を増加させるためにどんなことが必要になるかを書き出しましょう。
「営業活動や広告活動」と書く人は多いのですが、採択された3つの案件は、誰にどんな活動をすることでどれくらいの目標を達成することで売上に結び付けるか等、具体的な内容が書いてありました。
事業化のシミュレーション
新規事業をどのように収益化する予定かシミュレーションを作成して検討しましょう。
具体的にはどんなことが良いのかな?
大変そう…
顧客単価・月間の取引数・原価・一般管理費・人件費・減価償却費などを含めた簡易的なシミュレーションができていると理想的ですね。
そこまで具体的でないとだめですか?!
強制ではありませんが、より具体的な方が説得力のある事業計画書になるだけでなく、実際に事業運営するときにも損益分岐点を検討する材料になるのでオススメですよ。
③ 本事業で取得する主な資産
ここでは、電子申請で同様のことを入力するので、下図の表のように簡易的に済ませても良さそうです。
事業計画書のスペースに余裕がある場合は、どの経費が補助対象経費であるか示しても良いかと思います。
全部Wordで作っているよ♪
④ 収益計画
まずは、今回の事業全体の収益計画表を入力しましょう。
入力した売上や営業利益の根拠などが別途入力していると良さそうです。
今回、大切なのは事業再構築補助金の条件にもなっている「付加価値額」です。なぜ、その付加価値額になったのか、根拠を示せる数字を説明しましょう。
- 売上高…
- 営業利益…
- 経常利益…
- …
- …
売上高は会社全体の売上高なので、新規事業の売上比率を確認できるためにも既存と新規を下図のように分けて良いかもしれませんね。
また、上図の入力内容は電子申請でも同じ内容を入力しますので間違いがないようにしましょう。
そして、簡易的なキャッシュフローから今回の投資額をどれくらいの期間で回収できるかを計算して、事業の実現性や収益性の高さを明記しましょう。
細かく、書けばまだまだ工夫はあるのですが、大枠や簡易的な内容はここまでになります。
今後も随時、事業計画書の内容を更新予定なので、継続して確認していただけると嬉しいです。
採択に向けて一緒にがんばりましょう!