こんにちは。にこいち会議所です。
今回は、事業再構築補助金第3回公募で改訂となった売上要件について3つのパターンを図解と事例を使ってわかりやすく解説しています。
売上要件は、全ての申請枠に共通した内容ですが、第3回公募で複雑になっています。これから事業再構築補助金の申請を検討する人や「複雑になってわからない!」といった方におすすめの記事です。
わかりやすく解説するために…公募要領の15ページを確認しよう
必ず確認すべきこと
それは、公募要領15ページに記載のある一文です。
【公募要領15ページ】
新型コロナウイルス感染症の影響によらない売上の減少は、対象外です。
事業計画書に売上が減少した説明を行うも注意して記入していきましょう。
公募要領の確認
各種類の申請枠にも記載がありますが、詳細は公募要領15ページに記載してありますので、確認してみましょう。
う〜ん…わかりにくい。どういうこと?
と、いった様子になる人が多かったので、今回は図解と事例を使ってまとめていきました。
3種類のパターンがありますが、該当する部分だけの確認でもOKです。
【売上高減少要件】パターン①-2020年10月以降の売上高で売上要件を満たす
まず1つ目のパターンは2020年10月以降での売上高で比較するパターンです。第2回公募と同様の確認方法となります。
では、さっそく、確認していきましょう
- 2020年10月以降で連続する6ヶ月間の内、任意の3か月の合計売上高を出す。
- ①の合計売上高が、2019年もしくは2020年の1~3月と同月の合計売上高と比較して10%以上下落していること。
たしかに前回と同じですね。
では、ここから、具体的な数値を使って説明していきます。
パターン①を3つのSTEPで解説
ここでは、売上減少について事例を使って解説していきます。まずは、今回、申請する会社について確認しておきましょう。
- 8月に事業再構築補助金を申請
- 2020年10月以降の連続する6ヶ月を選択した
- 青色の表はコロナ前
- 黄色の表はコロナ禍での売上減少を証明して良い期間
- 白色の表は売上減少の比較ができない期間
パターン①では2020年4月〜9月での売上はできないルールとなっています。
では、3つのSTEPで解説していきます。
A社はコロナの影響で売上の減少が継続している様子で特に、2020年12月・2021年2月と3月の影響が大きいですね。この3か月が選択できるように、2020年10月からの連続した6ヶ月を選択し、合計金額を出しましょう。
2020年12月・2021年2月と3月を選択(合計70万円)…①
今回の事例では2020年12月からの選択でも可能
先ほどの3か月の合計(2020年12月・2021年2月と3月)を青色の表の同じ月の合計金額と比較します。
売上高の減少率は10%で申請できますが、今回はわかりやすくするために減少幅の多い月を選択します。
2019年の2月・3月・12月を選択(合計160万円)…②
今回は2019年で比較していますが2020年と比較することも可能です
先ほどの合計金額の減少率を計算します。10%以上減少している場合は要件を満たすことができます。
{①(70万円)÷②(160万円)-1}×100%=▲56.25%
減少率が10%以上であれば、条件達成!
【売上高減少要件】パターン②-2020年4月以降・2020年10月以降で売上減少を確認
パターン②は今回、改訂された内容になっています。2020年4月からの売上高を比較できるようになったので条件緩和と言えるでしょう。
注意すべき点は以下の2段階で売上の減少を確認しなければいけないことです。
- 2020年4月以降で連続する6ヶ月間の内、任意の3か月の合計売上高を出す。
- ①の売上高が、2019年もしくは2020年の1~3月の同月の合計売上高と比較して10%以上下落していること。
- 2020年10月以降で連続する6ヶ月間の内、任意の3か月の合計売上高を出す。
- ③の売上高が、2019年もしくは2020年の1~3月の同月の合計売上高と比較して5%以上下落していること。
今回、新しく設定された内容です。
パターン②を6つのSTEPで解説
ここでは、売上減少について事例を使って解説していきます。まずは、今回、申請する会社について確認しておきましょう。
- 8月に事業再構築補助金を申請
- 2020年4月以降の連続する6ヶ月を選択し、任意の3ヶ月を選択した。
- 2020年12月以降の連続する6ヶ月を選択し、任意の3ヶ月を選択した。
- 青色の表はコロナ前
- 黄色の表はコロナ禍での売上減少を証明して良い期間
パターン②では2020年4月〜9月の売上減少を認められていますが、10月以降の売上減少も必要なので、被らないように選択しましょう。
A社はコロナの影響で売上の減少が継続している様子で特に、2020年4月・5月・6月の影響が大きいですね。この3か月が選択できるように、2020年4月からの連続した6ヶ月を選択し、合計金額を出しましょう。
2020年4月・5月・6月を選択(合計60万円)…①
今回の事例では2020年5月からの選択でも可能
先ほどの3か月の合計(2020年4月・5月・6月)を青色の表の同じ月の合計金額と比較します。
売上高の減少率は10%で申請できますが、今回はわかりやすくするために減少幅の多い月を選択します。
2019年2月・3月・12月を選択(合計210万円)…②
先ほどの合計金額の減少率を計算します。10%以上減少している場合は要件を満たすことができます。
{①(60万円)÷②(210万円)-1}×100%=▲71.43%
減少率が10%以上であれば、条件達成!
A社はコロナの影響で売上の減少が継続している様子で特に、2020年12月・2021年2月と3月の影響が大きいですね。この3か月が選択できるように、2020年10月からの連続した6ヶ月を選択し、合計金額を出しましょう。
2020年12月・2021年2月と3月を選択(合計70万円)…①
先ほどの3か月の合計(2020年12月・2021年2月と3月)を青色の表の同じ月の合計金額と比較します。
売上高の減少率は10%で申請できますが、今回はわかりやすくするために減少幅の多い月を選択します。
2019年の2月・3月・12月を選択(合計160万円)…②
今回は2019年で比較していますが2020年1~3月であれば比較可能です
先ほどの合計金額の減少率を計算します。10%以上減少している場合は要件を満たすことができます。
{①(70万円)÷②(160万円)-1}×100%=▲56.25%
減少率が5%以上であれば、条件達成!
【売上高減少要件】パターン③-2020年4月以降・2020年10月以降の合計付加価値額で売上要件を満たす
3つ目のパターンは付加価値額の合計金額で売上減少要件を満たす方法です。こちらも、今回、改訂された内容です。
売上のみではコロナの影響が表現できない場合でも申請要件を満たせば申請できそうですね。
付加価値額については、以下の計算式となっています。
付加価値額=営業利益+人件費☨減価償却費
では、具体的に確認方法を見ていきましょう。
- 2020年4月以降で連続する6ヶ月間の内、任意の3か月の合計付加価値額を出す。
- ①の売上高が、2019年もしくは2020年の1~3月と同月の合計付加価値額と比較して10%以上下落していること。
- 2020年10月以降で連続する6ヶ月間の内、任意の3か月で同月の合計付加価値額を出す。
- ③の売上高が、2019年もしくは2020年の1~3月と同月の合計付加価値額と比較して5%以上下落していること。
さっそく、具体的な数値で確認していきましょう。
パターン③を6つのSTEPで解説
ここでは、売上減少について事例を使って解説していきます。まずは、今回も申請する会社について確認しておきましょう。
- 8月に事業再構築補助金を申請
- 2020年4月以降の連続する6ヶ月を選択し、任意の3ヶ月を選択した。
- 2020年12月以降の連続する6ヶ月を選択し、任意の3ヶ月を選択した。
- 青色の表はコロナ前
- 黄色の表はコロナ禍での売上減少を証明して良い期間
パターン③でも2020年4月〜9月での選択ができる分、2020年10月以降も減少を確認する必要があります。
考え方を分けるために比較する数字を先ほどより大きくしました。
A社はコロナの影響で売上の減少が継続している様子で特に、2020年4月・5月・6月の影響が大きいですね。この3か月が選択できるように、2020年4月からの連続した6ヶ月を選択し、合計金額を出しましょう。
2020年4月・5月・6月を選択(合計240万円)…①
今回の事例では2020年5月からの選択でも可能
先ほどの3か月の合計(2020年4月・5月・6月)を青色の表の同じ月の合計金額と比較します。
売上高の減少率は10%で申請できますが、今回はわかりやすくするために減少幅の多い月を選択します。
2019年4月・5月・6月を選択(合計480万円)…②
先ほどの合計金額の減少率を計算します。10%以上減少している場合は要件を満たすことができます。
{①(240万円)÷②(480万円)-1}×100%=▲50.0%
減少率が10%以上であれば、条件達成!
A社はコロナの影響で売上の減少が継続している様子で特に、2020年12月・2021年2月と3月の影響が大きいですね。この3か月が選択できるように、2020年10月からの連続した6ヶ月を選択し、合計金額を出しましょう。
2020年10月・2021年2月と3月を選択(合計260万円)…①
先ほどの3か月の合計(2020年12月・2021年2月と3月)を青色の表の同じ月の合計金額と比較します。
売上高の減少率は10%で申請できますが、今回はわかりやすくするために減少幅の多い月を選択します。
2019年の2月・3月・10月を選択(合計550万円)…②
今回は2019年で比較していますが2020年1~3月と比較することも可能です
先ほどの合計金額の減少率を計算します。10%以上減少している場合は要件を満たすことができます。
{①(260万円)÷②(550万円)-1}×100%=▲52.73%
減少率が5%以上であれば、条件達成!
事業再構築補助金第3回公募-売上要件のまとめ
長々とまとめが続きましたが、簡易的にまとめていきます。
今回の売上要件は改訂により複雑になったと思いますので、パターンを分けて考えることで自社が申請要件に該当しているか確認していきましょう。
- 2020年10月以降の売上高で売上要件を満たす
- 2020年4月以降・2020年10月以降の売上減少で売上要件を満たす
- 2020年4月以降・2020年10月以降の合計付加価値額が減少していることで売上要件を満たす